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現役人気力士たちのイラスト

大相撲の人気がジャニーズを超えた!?
スポーツビッグデータ解体新書 ~大相撲編~

こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。

これまでさまざまなテーマに取り組んできたビッグデータレポートですが、今回はスポーツの世界を覗いてみようと思います。
一口にスポーツといってもさまざまな種類がありますが、今回取り上げるのは「大相撲」についてです。
はたして大相撲をビッグデータで分析してみると、いったい何が見えてくるのでしょうか?

1.集客数とネット上の注目度には関連がある?

若手力士の活躍や満員御礼の日の増加など、最近何かと明るい話題の多い相撲界ですが、本当に人気は上昇しているのか、またそのことをYahoo! JAPANのビッグデータから見ることは可能なのかを検証してみたいと思います。

まずは、検索数を元にしたインターネット上の注目度(特定ワードの検索量)がスポーツの観客動員数と関連性があるのかを調べてみました。(図1)

(図1)プロスポーツの観客動員数と注目度

プロスポーツの観客動員数と注目度の図

注:
rはスピアマンの順位相関係数。左右ともにp<0.05
資料:
観客動員数は日本野球機構オフィシャルサイト(2013年セ・パ計)、Jリーグ公式HP(2013)、日本ゴルフトーナメント振興協会(2013)、新日本プロレスはWeb記事(2012)、大相撲とボクシングはプロスポーツ年鑑(2012)。注目度は「Yahoo!検索」データ

すると、各スポーツの注目度と観客動員数には関連性がありそうでした。

次に、大相撲がほかのスポーツと比較して盛り上がっているのかを確かめるために、プロ野球、Jリーグ、大相撲の注目度の伸びを指数化して見てみました。すると今年に入って大相撲がプロ野球をもしのいで盛り上がっていることがわかりました。(図2)

(図2)プロ野球、Jリーグ、大相撲の注目度指数の推移

(2010年1月1日の注目度=100)

プロ野球、Jリーグ、大相撲の注目度指数の推移の図

資料:
「Yahoo!検索」データ

2.データで見る大相撲

大相撲についてさらに詳しく見てみましょう。
大相撲は年間6場所あり、場所が開催されている間は注目度が高くなっていることが次の注目度の推移グラフから読み取ることができます。(図3)

(図3)大相撲の2013年の注目度推移

大相撲の2013年の注目度推移の図

資料:
「Yahoo!検索」データ

さらに、下図のとおり、今年に入って注目度が上昇していることもわかります。
つまり、大相撲の人気は実際に高まってきているといえそうです。(図4)

(図4)大相撲の注目度推移

大相撲の注目度推移の図

資料:
「Yahoo!検索」データ

【コラム】

2014年、大相撲の注目度は非常に高まってきています。
9月場所ではなんと、あの「ジャニーズ」の注目度を抜く勢いでした。
常に高い注目度を維持しているジャニーズに対して、2012年頃までは大きく差をつけられていた大相撲ですが、2014年に入っては場所毎に肉薄し、9月場所ではついに瞬間的に逆転するというサプライズが起きました。(図5)

(図5)大相撲とジャニーズの注目度推移

大相撲とジャニーズの注目度推移の図

資料:
「Yahoo!検索」データ

ではその人気はいったいどこから来ているのでしょうか?
ビッグデータを用いて今年の大相撲人気をさらに分析していきましょう。

3.大相撲人気を支えるのは誰?

大相撲に注目しているのはどの層の人たちなのでしょうか?
ほかのスポーツと比較しながら大相撲人気を支える人たちを調べました。(図6)

(図6)プロ野球、Jリーグ、大相撲の関心層

(%)

プロ野球、Jリーグ、大相撲の関心層の図

資料:
「Yahoo!検索」データ(2014年1月~9月)

大相撲に関心を寄せている人は男性が65%、女性が35%という構成で、プロ野球やJリーグと比べると女性の割合がやや高めでした。

とりわけ特徴的なのは年齢層で、プロ野球のメイン支持層が10代以下~20代、Jリーグが20代~30代であるのに対し、大相撲は50代~60代以上ということがわかりました。

なお、ジャニーズの関心層は女性の割合が圧倒的に高いです。また10代以下などの若い層だけでなく、40代~50代も多く、幅広いファンを獲得していることが伺えます。

また、大相撲について去年と比べると、どの年代でも関心層が増えていますが、もともとコアな支持層であった50代~60代以上の関心度が今年になってさらに高まってきていることが注目されます。(図7)

(図7)大相撲の関心層の年代別変化

(2013の注目度全体=100)

大相撲の関心層の年代別変化の図

資料:
「Yahoo!検索」データ(2014年1月~9月、2013年1月~9月)

次に都道府県別の関心度調査です。
大相撲に関して注目度の高い都道府県を見てみましょう。(図8)

(図8)大相撲の関心地域

大相撲の関心地域の図

資料:
「Yahoo!検索」データ(2014年1月~9月)

上記の図より、島根県と石川県で特に大相撲への関心が高いようです。
石川県は人気力士「遠藤」の出身地であること、島根県は「隠岐の海」の出身地であること以外に、相撲発祥の地ということで県民の関心が高いと推測されます。

4.注目力士をデータで丸裸にする

さらに少し大相撲をデータから掘り下げてみましょう。
ここ最近話題の力士をビッグデータで調査してみました。(図9)

(図9)話題力士の関心層

(%)

話題力士の関心層の図

資料:
「Yahoo!検索」データ(2014年1月~9月)

調べてみると、力士によって関心を持つ層に特徴があることがわかりました。
横綱の白鵬をはじめ、勢、遠藤、豊真将は女性からの注目度が比較的高い一方、関脇に昇進した逸ノ城は男性からの関心が特に高い傾向にありました。
また年代を見ると、遠藤は10代以下~30代、白鵬は30代~40代、勢は50代、豊真将と逸ノ城は50代~60代以上からの注目度が高めという特徴がみられました。

また、話題の力士それぞれの注目度の推移も見てみました。(図10)

(図10)話題力士の注目度推移1

話題力士の注目度推移の図の1

資料:
「Yahoo!検索」データ

赤色の線が今年の注目度の動きを表しています。黄緑色の線は昨年の動きです。
今年の動きを見ると、遠藤は敢闘賞を受賞した1月をはじめ、3月場所、金星を挙げた5月場所でも注目度が伸びていました。
鶴竜は幕内優勝した3月に注目度を伸ばしていました。
白鵬は1月、5月、7月、9月と幕内優勝していますので、それぞれの場所で千秋楽に向けて注目度が上昇していましたが、それ以上に5月場所の優勝会見をキャンセルした理由が公になった際にとりわけ注目度が急伸していました。
豊真将は、横綱日馬富士戦での負傷で残念ながら途中休場となってしまった7月場所前半に注目度が伸びていました。(図11)

(図11)話題力士の注目度推移2

話題力士の注目度推移の図の2

資料:
「Yahoo!検索」データ

高安と豪栄道は、7月場所でそれぞれ敢闘賞、殊勲賞を受賞する活躍を見せ、注目度が大きく伸びていました。
勢は、敢闘賞を受賞した5月にも注目度を上げていましたが、9月場所7日目に、それまで白星続きだった逸ノ城を下した日はそれ以上に注目度が急伸していました。
逸ノ城は、9月場所で殊勲賞と敢闘賞を受賞しましたが、特に14日目の幕内優勝がかかった横綱白鵬との決戦日に大きく注目度を伸ばしています。

こうしてみますと、今年は昨年に比べて場所ごとに異なる力士が大きく注目されていたことがわかります。
これも今年の相撲人気につながった要因の一つといえそうです。

これまでの分析結果をまとめますと、

  • スポーツの世界でも、ネットでの注目度と観客動員数には関連がある
  • 今年に入って明るいニュースが増えてきた大相撲は、ネットの注目度でも大きく盛り上がってきている
  • この大相撲の盛り上がりはもともとのコア層であるシニアからの関心度がさらに高まってきていることに加え、場所ごとに注目を集める力士が代わる代わる登場し、それぞれが特徴的な支持層を獲得していることが大きい

ということがわかりました。

いかがでしたでしょうか。11月9日からはじまる11月場所もますます楽しみですね。
引き続き「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」をよろしくお願いいたします。

(イラスト:Tomoko Shintani)